子育てニュース 2013年

幼稚園からこども園への移行検討、36%

ベネッセ次世代育成研究所は4月18日までに、政府が待機児童解消のために拡充を目指す認定こども園に「条件によっては移行してもよい」と回答した私立幼稚園は36%にとどまったとの調査結果を発表した。

 

施設を増設、改修する際の補助額などの条件が決まっていない上、少子化で経営が苦しい幼稚園も増えており、経営者が不安を抱いているとみられる。

 

調査は、園児30人以上が対象で、私立幼稚園では921施設(回収率18%)が回答した。「移行は考えていない」が27%で、「詳しい内容が分からないので判断できない」は22%だったと共同通信が4月18日に配信した。

 

(2013.4.24 塾ニュースから)

子供を性犯罪からどう守る 男の子もなるべく1人にしない

子供を狙った性犯罪が後を絶たない。特に小学生の性犯罪被害は増加傾向にあるという。新学期が始まり、新1年生も登下校を始めるこの時期、性犯罪から子供を守るにはどうすればいいのか専門家に聞いた。(佐々木詩)


危険箇所の確認

 警察庁の統計によると、20歳未満の性犯罪被害の件数は横ばいでの推移に対し、小学生の被害は平成20年以降、増加傾向にある。24年の発生件数は前年を45件上回る937件で、過去5年間で最も多い。

 セコムIS研究所(東京都三鷹市)所員で、子供の安全について研究している舟生(ふにゅう)岳夫さん(44)は「統計に上がっている被害は強制わいせつなどの深刻なもの。体を見せられるといったケースは含まれておらず、実際の被害はもっと多いはず」と指摘する。

 性というデリケートな問題で、性についてまだ理解できていない子供に性犯罪について注意を促すのは困難だ。舟生さんはまず、親が一緒に通学路を歩き、人通りのない所、高い塀がある所や駐車場などの人目が届きづらい所といった犯罪の起きやすい場所を確認することを勧めている。そのうえで、危険箇所を記入した「安全マップ」を親子で作る。「地図を作ることで、子供自身に危険を認識させることが重要」(舟生さん)

また、日常的に通学路を守ることを徹底させ、なるべく1人にならないことや、危険な場所は脇目を振らず素早く通り抜けることなどを言い聞かせる。不審者は子供を観察し、きょろきょろしたり、隙があったりする子供を狙うという。

 特に男児の場合、親も子も「男の子だから大丈夫」と考えがちなうえ、冒険心から通学路を外れてしまうこともあり、不審者の目につきやすい。舟生さんによると、連れ去りの発生件数は、小学生未満では男女ほぼ同数の被害が報告されているという。低学年ほど男女の区別なく注意を促すことが必要だ。


親に伝える


 万一、不審者と遭遇した場合に備え、「気持ち悪い」「嫌だ」と自分が感じることはさせてはいけない、と教える。その際、用いるといいのが「プライベートゾーン」という言葉だ。

 「プライベートゾーン」は、水着を着たときに布で隠れる体の部位のことだ。この部分については「人に見せても人から見せられてもだめだ」と説明すると子供も理解しやすい。

 「お尻を触られることが単なるスキンシップだと思っている子もいる。プライベートゾーンを見せようとすること、触ろうとすることは『気持ち悪いこと』と教えてほしい」と舟生さん。「じっと見られた」「執拗(しつよう)に声を掛けられた」など、気持ち悪いと思ったことを親に積極的に伝えることも大切だ。地域の防犯につながり重大な犯罪の芽を摘むことになる。

 危険回避の手段としては、大声を出す▽防犯ブザーを鳴らす▽逃げる-などがあるが、子供の性格によってどれがいいか違ってくる。舟生さんは「親が子供にできる対策を見つけてあげて」と話している。

 

(2013.4.10 産経ニュースから)

英語保育園が急増 英語耳つくれるが忘れるのも早いと専門家

“英語”が人生を左右する時代になった。先日、大学入学試験の基準として、英語運用能力テスト「TOEFL」を活用する方針を自民党の教育再生実行本部が固めたと報じられた。政府は、平成27年度から、国家公務員総合職の採用試験にTOEFLを導入する方針も打ち出している。楽天やユニクロはすでに社内公用語を英語としており、グローバル化を進める企業において、英語は必須能力となりつつある。

 こうした状況を背景に、英語熱の低年齢化も進んでいる。2011年から小学校での英語授業が開始されたこともあり、子どもの習い事人気ランキングを見ると、英語は、スイミング、ピアノに次いで、第3位(6歳以下の未就学児が約8割を占めるアンケート/ミキハウス総研調べ)にランクイン。新しい子ども向け英語教室が次々と誕生するなど、子ども向け英語ビジネスは活況を呈している。

 たとえば、大学受験向け予備校の東進ハイスクールは、2010年に「東進こども英語塾」を開校した。英国の公的な国際文化交流機関であるブリティッシュ・カウンシルも、昨年、こども向け英語学習事業を開始。住友商事が英語教育を行う学童保育に参入するなど、異業種からの参入も活発だ。

 そして昨今、未就学のうちから英語を本格的に学ばせたい親たちに人気なのが、「プリスクール」だ。グローバル化に伴うニーズの拡大で、2011年度の語学ビジネス市場は、前年度比2.6%増の7687億円、そのうちプリスクール市場は前年度比9.1%の伸びを見せている(矢野経済研究所調べ)。

 プリスクールとは、英語で保育を行う保育施設のこと。大きく分けると、1.インターナショナルスクールの付属施設、2.学習塾などが経営する新設のプリスクール、3.日本の幼稚園が経営する英語保育をするスクール、の3種類がある。一般の幼稚園程度の費用で通えるスクールから、年間200万円を超えるところまで、一言でプリスクールと言っても千差万別ではあるが、いずれも、幼児期にどっぷりと英語に浸かることで、英語耳を鍛えることができるという。

 横浜市のプリスクールに4歳の娘を通わせる30代の女性は語る。

「プリスクールは、インターナショナルスクールと違って、親が英語が話せなくても入れるんです。義務教育はきちんと日本語で受けさせたいけど、まだ幼稚園ですし、試しに入れてみようかと。月謝はちょっと高いけど、英語塾に行かせるより、生活のなかで英語を学ばせるほうが自然でいいかなとも思ったんですね」

 プリスクールに通い、英語の早期教育を受ければ、その後の人生の大きなアドバンテージとなるのだろうか。子ども英語教育に詳しく、All Aboutガイドなども務める清水万里子氏に、プリスクールの実情を聞いた。

「1997~2002年ごろは、プリスクール乱立時代でした。その後、幼児教育の質でスクールは徐々に淘汰され、いま残っているのは、親からの評価を受けた良いスクールが多いです。子どもは耳からすぐに英語を覚えますから、1カ月もすればポロリポロリと英語を使い始め、3か月もすれば話せるようになります。真剣に英語を身につけさせたいと望む方には、プリスクールは良いと思います。

 ただ、普通の日本の小学校に進んでしまえば、子どもは英語をどんどん忘れていきます。プリスクールで学んだ英語力を持続させるためには、その後も週に数回、英語教室などに通うなど、環境を整え続けなければいけません。また、スクールによりますが、一般的に費用が高い(80~200万円)です。英語を学ばせるといっても、将来、どのレベルを目的にするかによって、プリスクールの必要性は変わってくるのではないでしょうか」

 最近は、一般的な幼稚園や保育園でも、週に1回程度、英語のレッスンがあるという。英語に親しむ、英語を楽しむというレベルを求めるなら、プリスクールに通う必要はないわけだ。また、清水さんは、プリスクールの環境についても指摘する。

「東京など、都会の新しいプリスクールは、ビルの部屋など、どうしても敷地が狭くなりがちです。英語は習得できても、思い切り走りまわることのできないスクールで学ぶことが、子どもにとって幸せなのか。そういう意味では、地方には良いスクールがあります。たとえば仙台の、自然に囲まれた明泉(めいせん)幼稚園の英語イマージョンクラスは人気です。小学校にあがった後もフォローするクラスがあるので、この地域は英検の合格率が非常に高いと話題なんですね」

 英語の熱は今後、ますます高まっていくと予想される。幼稚園に限らず、子どもの英語をめぐる関係者間の攻防も激しくなっていきそうだ。

(2013.3.24 ニュースポストセブン)

算数が得意な子の脳は、どこが違うのか?

スラスラと問題が解ける子の脳の中は、いつまでたっても答えが出ない子とどう違うのか。「解ける子の脳」になるための秘訣を、脳のスペシャリストに聞いた。

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■問題を解くとき、脳の複数の箇所が稼働

 世の中には、幼くして方程式が解けたり、微分積分を理解できたりするスーパーキッズがいるという。一方で「数字を見るだけで頭が痛くなる」というような算数嫌いの子も存在する。算数ができる子とできない子は何が違うのだろう。そもそも生まれつき脳に差があるのだろうか。MRIによる脳画像分析のスペシャリストで「脳の学校」代表の加藤俊徳氏に、その違いを聞いてみた。

「算数ができるかできないかは、生まれつきの能力の差ではありません。訓練すれば誰でもできるようになるのです」と言う加藤氏。「うちの子は算数ができない」と嘆いている親にとっては朗報だが、ではいったいどこで差がつくのだろうか。
「ポイントは、脳の中に問題を解く回路ができているか、そしてそれが太いかどうかです」
 加藤氏はまず、算数や数学の問題を解く際に脳の中でどんなことが起こっているかを説明してくれた。

「算数の問題を解く際には、脳の複数の箇所を使います。脳には大きく分けて、前頭葉、後頭葉、頭頂葉、側頭葉がありますが、それぞれ、運動、視覚、聴覚、記憶など人間が生きていくうえでのさまざまな活動をつかさどっています。脳の中にも、いわゆる『役割』というものがあるのですが、現在の研究では、算数や数学のいろいろな問題を解くときに、脳のどの箇所を使っている、と特定はされていません」
 たとえば国語が得意なら、言語や感情をつかさどる部分、美術が得意なら視覚をつかさどる部分を主に使う、というようにある程度特定できるが、算数や数学の場合は、そうではないらしい。
「脳の損傷研究でわかっているのは、脳のどこが壊れても、ちょっとずつ算数や数学の能力が下がるということ。つまり、算数や数学の問題を解く際には、脳の複数の部分を同時に働かせていると考えられます」

 そこで加藤氏は、二つの脳の図を描いて説明してくれた。
「Aが、悩んでいるとき、Bが楽に解けるときの脳のイメージです。初めて問題が出されたとき、脳の中ではああでもない、こうでもないと思考がさまざまな箇所を巡って答えを導き出そうとします。これがAの脳」
 問題を解くためにはどの部分を使えばいいかまだ絞り切れていない状態です。
「一方で、楽に解けるときの脳では、脳のどの箇所をどの順番で使えばいいかが特定されています。そのルートが出来上がっているので、Bの図のようにスムーズに思考回路がつながって、解答が出せるのです」
 なるほど。これが先ほどの「問題を解く回路」というわけだ。


■何度も解くと簡単に解ける理由

「解けない問題が解けたとき、カチッと何かがはまったような感じがして、すっきりした経験があるでしょう。これが、回路がつながった瞬間なのです」
 一度解いた問題をもう一度解いたときに簡単に感じられたり、前より短時間で解けたりするのは、この回路が出来上がっているからなのだ。Bの脳では、脳に負担がかかっていないクールな状態。脳は無駄なエネルギーを使わなくて済むのである。一方で、Aでは脳の中で思考の試行錯誤が行われているので、かなりの興奮状態だ。
「問題が解けなくてどうしていいかわからない、頭の中がふわ~っとなるような感じが、まさしくAの状態なのです」

 この回路を専門的に説明すると、神経細胞同士がネットワークを形成していくということ。約千億個以上の神経細胞がある脳は、細胞同士が集まって思考の中枢となっている神経細胞と、その神経をつなぐ連絡線維の二つで構成されている。脳が適切な刺激を与えられてさまざまな情報を吸収していくと、それまで未発達だった神経細胞と連絡線維は、樹木の枝が伸びるように他の細胞とつながっていく。使われることで回路は太くなり、より楽に問題を解けるようになる。

「必要な脳の箇所同士が連携して回路が太くなると、問題を解く際に二つのいいことが起こります」
 と加藤氏。ひとつは、「応用が利く」ことだという。
「ある問題を解く回路が確立できれば、それに類似した問題が出された際に、おおよそどこの箇所を使えばいいかが推測できます。基本の回路ができているので、そこからちょっとはずれるだけでいい。新しい問題に出合って、まったく知らない問題を解くときに試行錯誤するのとはわけが違います」


■パッと問題が解けるのは集中している証拠

 もうひとつが「集中力の向上」だ。
「回路がつながっていない頃や、つながりたての頃は、回路をつなぐパイプが細い状態。短時間で情報を運ぶことができないため、なかなか解答にたどり着けず、問題を解こうとする気持ちが散漫になりやすい。しかし回路を繰り返し使うことでパイプが太くなると、一気に多くの情報処理が可能になり、集中して問題を解くことができます」

 それではわが子もこの回路を強化していけば、スーパーキッズのようになれるのか。
 しかし、「この回路を強化するのが難しい」と加藤氏。それは、脳のある性質が関係している。
「脳は、ある回路を通って心地よいと感じたら、もう一度同じ回路を通ろうとします。でも、嫌だと思ったら二度と同じ道を通りたがらないんです」

 問題が解けるというような成功体験は脳にとって気持ちよいものであり、もう一度同じ道を通ろうとする。しかし、同じ「解ける」でも、その子のレベルに合っていないものを無理にやらせたり、お母さんから「この問題を解けるまで遊びに行っちゃダメよ!」なんて言われながら嫌々解いた場合には、たとえ解くことができても、脳にとっては苦い印象を与えてしまうのだ。
「誰かとご飯を食べて楽しかったら、また一緒に食べたいと思うでしょう。それと同じ法則が脳の回路にも当てはまるのです」

 脳の回路を強化するには、何度も同じルートを通ることが必要。そのルートを何度も通らせることができるかどうかが、優秀な子とそうでない子の分かれ目だというわけだ。子供が「楽しい」と思うような環境づくりをすることが、解ける回路をつくる第一歩かもしれない。
 算数や数学ができるようになる脳の仕組みがわかったところで、「回路をつくったり、強化する際にやってほしいことがある」と加藤氏。


■頭の中だけで考えても答えが出ないなら……

「それは、手を使うことです」
 答えがわからないときは、脳のどこを使えばいいか迷っている状態。その際に、頭の中だけで考えるより、指を折って数えたり、図に描いたり、式に起こしたりすることが大事だという。
「解けないときには、思考が脳の同じ箇所だけをグルグルと回っていることもあります。そのときに手を動かせば、思考を違う箇所に動かすことができるのです」
 算数ができる子は、わかっていることをすべて書き込んだり、文章を図示化したりする。これは、脳にも刺激を与えているというわけだ。


■答えがどこで間違ったかを把握させよう

 最後に、算数で育まれる力について一言。
「人間は生まれると『周りの人はこうしている』とまず他人を認識し、その後だんだん『自分はどうなのか』と、自分を確かめるようになります。算数で一番育まれるのは、前頭葉で発達するこの自己認識能力だと思います」
 算数には必ず答えがある。問題を間違えた場合、自分がどこで誤ったかというプロセスを計算式の中で確認できる。それを認められる子は、どんどん成長していける。
「答えが間違ったという事実だけを意識する子は、それ以上先へ進めません」
 算数で間違いを把握する作業は、自己認識能力につながるものなのだ。
「親は、子供が算数の問題で間違えた際に、どこでどんな間違いをしたかを子供自身が把握しているかにも気を付けたいところです。問題が解ける、解けないで一喜一憂することよりも、この問題を通して、子供の自己認識能力が成長しているんだ、と考えてみてはいかがでしょうか」


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加藤俊徳●Toshinori Kato
医師、医学博士。「脳の学校」代表。国立精神・神経センター、ミネソタ大学放射線科などを経て現職。これまで、1万人以上の脳画像を分析してきた。著書に『脳の強化書』(あさ出版)など。



(2013.2.16 プレジデントファミリーから)

玩具の「ブロック」大学や企業まで注目 その効果とは?

プラスチック製組み立て玩具の「ブロック」。幼少時、夢中になって車や家を作った記憶を持つ人は少なくないだろうが、今、このブロックが「働くうえで求められる力の育成」の観点で、幼児教育から大学・企業まで広く注目を集めている。「集団における協調性」などを評価するため、宇宙飛行士候補者の選抜試験でも採用されたというブロック、その効果とは-。

 ◆集団生活での適性

 「やったー、速くなった」「えーどうして、遅くなっちゃったよ」

 昨年12月、約180組の親子が参加して神奈川県厚木市で開催されたイベント「レゴ教材を活用した科学学習体験教室」。ブロックで作製したウインドカーに扇風機で風を送り、走行タイムを競う実験に小学1、2年生が挑んだ。

 「タイヤを大きくしたらいいのかな」「帆をたくさんつけたらいいのかな」。子供たちが試行錯誤する姿に温かいまなざしを注いでいたのは、神奈川工科大(同市)創造工学部の金井徳兼(のりかね)教授(家電工学)だ。

 「クリエーティブな発想が求められる時代です。クリエーティブな発想は問題解決力を育てることがベースにあると考えています。ここにいる子供たちはその問題解決力を伸ばす貴重な体験学習をしています」

 同大学では今年度、幼稚園児や小学生を対象に、ブロックを使った科学学習塾を開講した。「工科系の大学として理科好きの子供を育てたい」「大学の地域貢献」という視点と同時に、コミュニケーション力やチームワーク力、課題解決力などの育成を目標に掲げる。これらは今、若者に求められている「働くうえでの基礎的な力」だ。

 「例えば、いろいろな意見に耳を傾けながら、『崩れにくいブロックの橋』の構造を考える。まさに、大学生を対象にした就業力育成で注目を集める『PBL(Problem<Project> Based Learning)学習』、問題解決型の学習です」

 国際宇宙ステーション滞在が決まっている油井亀美也(ゆい・きみや)さんらが挑んだ平成21年実施のJAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士候補者選抜試験では、可動性を加えた教育用ブロックを使い、グループでロボットを作る課題が与えられた。JAXAでは「集団生活における協調性や適応性、情緒安定性などの適性を評価するためにブロックを採用した」としている。

 金井教授の大学のゼミでも学生がマイクロプロセッサーを組み込んだ教育用ブロックを使い、ロボット製作に取り組んでいる。「ブロックを単なるおもちゃだと思わない方がいい。大学生にとっても、センサーを活用したモーター制御の仕組みなどを効果的に学び、課題攻略力やチーム力を身に付けるための効果的なアイテムになっています」(金井教授)

 ◆新人研修にも

 レゴブロックを使った学習教室を展開するレゴ エデュケーション(東京都港区)の代理店、アフレル(福井市)によると、新人社員研修など社員教育の場で教育用ブロックを採用する企業が増えているという。

 そのうちの一社、キヤノンソフトウェア(東京都品川区)では、新入社員がコンピューターのプログラミングを分かりやすく学ぶとともに、チームでロボットを作り上げることによって「集団における目標意識の共有の大切さ」に気づくツールとして採用したという。

 レゴ エデュケーション・ジャパンの須藤みゆき代表は「問題解決力や課題発見力などを育てるためには、興味・関心の芽を伸ばすことが不可欠だと考えています。これは幼少時でも大人になっても変わらないでしょう。大学や企業でレゴブロックを採用いただいているのは、そのために有効な素材と評価していただいたからだと受け止めています。若者の働く力の育成が課題になっている今、大学や企業で採用されるケースが今後も増えると思います」と話している。

 ■「求めたい能力」は「粘り強さ」

 産経新聞社は平成23年、全国の主要250社を対象に「大学生の新卒採用」に関するアンケートを実施した(回答率36%)。

 「採用において学生に特に求めたい能力」を聞いたところ、最も多かったのが「粘り強さ」。以下、コミュニケーション力▽論理的思考力▽課題発見・解決力▽チームワーク力-と続いた。


(2013.2.17 産経ニュースから)

子どもの視力低下は増加、虫歯は減少の調査結果

2012年度の学校保健統計調査によると、視力1.0未満の子どもの割合は小学生が30.7%、中学生が54.4%、高校生が63.8%で、前年度に比べ0.8~2.8ポイント増えた。子どもの視力低下が止まらないが、文部科学省はこれを携帯電話やゲーム機器の影響とみている。

 

また、眼鏡やコンタクトレンズを使っていない子どもであっても、小学生の12.7%、中学生の17.1%、高校生は20.1%は、どちらかの目が黒板の字が見えにくい視力0・7未満であった。これは外見を気にして眼鏡を嫌がる生徒らが多いためと考えられる。一方、上昇を続けてきたぜんそくの子どもの割合は、幼稚園児と小学生、高校生で減少に転じた。幼稚園児は2.3%で11年度に比べて0.5ポイント、小学生は4.2%で0.1ポイント減った。中学生は3%で0.1ポイント増えた。

 

そして虫歯がある子の割合は全学校段階で減っていた。中学1年(12歳)の永久歯の1人あたりの虫歯本数は1.1本で前年度より0.1本減り、過去最低を更新している。

 

(2013.1.31  塾ニュース)

「幼児教育の無償化」、今度こそできるか 渡辺敦司

先の記事では自民・公明政権の選挙公約(外部のPDFにリンク)を紹介しましたが、その中に「幼児教育の無償化」があります。私立も含め、幼稚園だけでなく保育所、認定こども園を通じて、すべての3歳から小学校就学までの無償化に取り組むとしています。ところで幼児教育の無償化が打ち出されたのは、今回が初めてではありません。4年前の2009(平成21)年にもありました。

4年前といえば、夏の総選挙で民主党が圧勝し、政権交代した年です。その前の5月、自公政権の下で文部科学省の有識者研究会が幼児教育の無償化を提言する中間報告をまとめたことは、このコーナーでも紹介しました。

 

当時、無償化に必要な国と地方の追加公費は7,900億円(幼稚園3,500億円、保育所4,400億円)と見込まれていました。それだけ保護者が負担していたわけですが、「幼児教育の無償化への取組は世界の趨勢(すうせい)」「国家戦略上、喫緊の課題」だとして、消費税などの安定財源を確保したうえで、実施することを求めていました。同年8月の2010(平成22)年度概算要求(外部のPDFにリンク)では手始めに私立幼稚園の補助単価を6%引き上げることとし、前年度比51億円増の255億円を計上していました。

 

それが総選挙結果を受けた政権交代により、概算要求自体が組み替え(外部のPDFにリンク)に。子ども手当が創設されたこともあって低所得者層に重点化することにし、結果的には2010(平成22)年度予算(外部のPDFにリンク)に前年度比5億円増の209億円が計上されました。その後、民主政権は幼保一体化などに取り組みましたが、無償化はお蔵入り状態となっていました。

 

幼児教育をめぐっては2012(平成24)年、経済協力開発機構(OECD)が日本での普及率を高く評価したことを、当コーナーで紹介しました。OECDはそれに先立って、日本政府に対し、小学校以降も含めた家計の教育費負担の軽減に加え、保育所と幼稚園を一体化し、保育所に通う子どもにも教育機会を促すことによって、首尾一貫した幼児教育と保育の枠組みを構築するよう提言(外部のPDFにリンク)しています。すべての子どもに早期から幼児教育の機会を提供することが、その後の学力などの伸びに大きく寄与するからです。

 

文部科学省(外部のPDFにリンク)も近年、「幼小連携」や、さらに一歩踏み込んだ「幼小接続」に力を入れており、「幼児期の教育」(幼稚園や保育所、家庭教育)と小学校の教育をスムーズに橋渡しすることに取り組んでいます。新しい幼稚園教育要領(保育所は「保育所保育指針」)や小学校学習指導要領でも幼小連携(外部のPDFにリンク)をさらに推進することにし、小学1年生で生活科などを中心とした「スタートカリキュラム」を充実することも求めています。

 

安倍晋三首相は総選挙期間中、「公約にはできることしか書いていない」「幼児教育の無償化の財源はある」と繰り返し力説していました。公約には反映されませんでしたが、自民党の「教育再生実行本部」は総選挙直前の中間取りまとめ(外部のPDFにリンク)で、5歳児からの義務教育化も提言していました。新政権には本気で取り組んでほしいものです。 

(2013.1.17 産経ニュース)

こども園の設置進まず、自治体や企業独自に対応

幼稚園と保育所の機能を併せもつ「認定こども園」が計画通りに増えていないと、1月6日の日本経済新聞は報じた。今年度末の設置数は1000カ所にとどかず、政府が3年前にたてた目標の半分以下にとどまる見通しだ。設置のための手続きが煩雑なことなどが響いた。保育所に入れない待機児童を減らすため、自治体や企業は独自に対応を進めている。

認定こども園は幼稚園のもつ幼児教育の役割と、子供を長時間預かる保育所の利点をともに備えているのが特徴。2006年10月から設置が始まった。政府が10年1月にたてた計画では、12年度中に2000カ所に増やすのが目標。ただ12年4月時点で911カ所で、その後も大幅には増えていないとみられる。

制度をつくった背景には共働き世帯が増え、保育所の需要が高まったことがある。12年4月の保育所の数は約2万3000カ所と、5年前と比べて3.7%増えた。それでも入所できない待機児童は民間の推計で300万人を超す。

これに対し、幼稚園のニーズは減る一方。現在の園児数は約160万人と、ピークの1978年の6割に落ち込み、定員割れが相次いでいる。子供を預かる時間が1日4~5時間に限られ、3歳以上しか預かれないなど制約が多いためだ。

こども園を開くのはこうした実情を踏まえ、幼稚園の機能を広げるのが狙いだが、それが普及を難しくする原因にもなった。乳幼児を預かるには離乳食をつくるための調理施設や保育士の雇用が必要になる。幼稚園は教育の場との思いが強く、保育施設との併設にはなお抵抗感もある。

既存の幼稚園や保育所を衣替えする際、保育所は厚生労働省、幼稚園は文部科学省と所管が分かれ、手続きが煩雑なことも妨げになった。認定こども園を新設する場合、申請書類が二重に必要になる場合もある。

これを受け、自公民3党は12年6月、認定こども園を開くための窓口を内閣府に一本化することや、認定こども園と幼稚園、保育所でばらばらな補助金の仕組みを一つにする方向で一致した。ただ実施は15年度以降で、こども園の定着にはなお時間がかかる。

国の制度の整備が遅れるなか、自治体や企業は独自に待機児童の解消に取り組んでいる。横浜市は専門の相談員をおき、空きのある保育施設をあっせんするなどの対応を進めた。10年春に全国最多の1552人の待機児童がいたが、12年4月には179人に減らすことに成功した。企業も社員に働きつづけてもらうため、待機児童解消に力を入れる。

2013.1.16

幼児教育の無償化検討…3~5歳の保育料が軸

政府は、2013年度から幼児教育無償化に向けた本格的な検討をスタートする。


 有識者会議を設置し、時期や対象施設、予算の確保策などの具体案を同年度中にまとめる方針だ。

 無償化は自民、公明両党の連立政権合意書にも盛り込まれ、子育て世帯の負担を軽減し、少子化対策につなげる狙いがある。


 有識者会議は、3~5歳児が通う幼稚園、保育所、認定こども園の無償化を軸に検討を進める見通しだ。この場合、必要となる予算は年7900億円程度と見積もられている。政府と自治体の負担割合も含め、予算の確保策が最大の焦点となる。政府・与党内には、5歳児に関わる教育のみ無償化する案も出ているが、この場合でも年2700億円程度の予算が必要だ。文部科学省は、13年度予算の概算要求に会議費用として4300万円を盛り込んだ。


2013年1月15日   読売新聞から転載)

「待機児童問題」自治体で明暗 横浜市「ゼロ間近」でも大阪市は「大幅増」

保育所に入所できない「待機児童」の解消に向けた取り組みで、自治体によって差が出ている。神奈川県横浜市では最大で1500人を超えていたが、2年間で200人を切るまでに減少させ、2013年4月までに「ゼロ」を達成する勢いだ。

 これに対して大阪市は、待機児童が1年間で268人増え、解決から遠ざかってしまった。東京都でも全体では減少傾向だが、場所によっては逆に数が増えている。

■世田谷区や大阪市ではマンション増加で子育て世代流入

 厚生労働省がまとめた2012年4月1日時点の全国の待機児童の状況をみると、都道府県別では東京都が7257人で断トツの「ワーストワン」だ。一方、数が増加した市区町村では、首位の大阪市が前年比268人増で2位の福岡市を100人超上回った。

 東京都の場合、待機児童数は2010年の8435人をピークに2年連続で減少している。都では、国の設置基準にのっとった「認可保育所」や都独自の制度に基づく「認証保育所」を年々増設している。過去2年間の減少について都福祉保健局に聞くと、施設が増えただけでなく受け入れ人数の拡充を図ったことが大きいと話した。「東京都保育計画」では、保育所をはじめとするサービスを利用できる児童数を、2009年4月の18万5475人から2015年4月には22万8500人にまで増やす予定だという。

 だが都内を細かく見ると、世田谷区のように1年間で待機児童数が98人増えたところもあった。その理由を聞くため区保育課に取材すると、「公式に調査したわけではありませんが」と前置きして、「価格的に手頃な分譲マンションが増え、住宅地として人気なこともあって子育て世代の転入が年々増加している」点を挙げた。20~30代の共働き家庭が多く、保育所の利用申請が急増。区側は毎年新たな施設をつくってはいるが「土地が高額なうえ場所自体が少なくなり、限界に近づきつつあります」。それでも認可、認証の保育所の整備を進めて今年度中に定員800人分確保したいと話した。

 大阪市も状況は似ている。市保育企画課はJ-CASTニュースの取材に、「北区や中央区、天王寺区あたりでここ4、5年マンション建設が進み、0~2歳児をもつ住民が増えているようです」と説明する。市では保育施設における入所枠の拡大を進め、2009年度には2301人分を確保して待機児童数を減らした。一段落したように見えたが、保育所入所のニーズは途切れていなかった。その後も入所申請は減ることなく、待機児童がまたもあふれてしまった格好だ。


「定員割れ」起こした保育所も「有効活用」


 大阪市の橋下徹市長は、2011年12月の就任以来「待機児童ゼロ」を掲げている。市保育企画課は、市独自の試みのひとつとして「個人実施型の保育ママ事業」を取り上げた。市の研修を受けて認定された「保育従事者(保育ママ)」が自分の居宅などで、保育所に入れない0~3歳未満を5~10人程度集めて保育を行うものだ。また、東京都のように市が無認可保育所を助成する「認証保育所」制度も検討していると明かした。

 一方、問題の解消に向けて大きな成果を上げている自治体もある。横浜市だ。市のウェブサイトを見ると、相当きめ細かい対策を講じているのが分かる。

 例えば保育所整備を特に進めたい地域を「緊急整備地域」に指定して、補助額を1.5倍に拡充。認可外の保育所を市が認定、助成する「横浜保育室」の制度では、利用者が支払う保育料を軽減するため2012年度に月額の補助を最大4万円から5万円にアップした。

 0~3歳児は保育所のニーズが高い半面、4、5歳児は「定員割れ」を起こしているところもあるという。駅から離れてアクセス面でやや不便な保育所でも、同様の問題がみられる。これらの施設を「有効活用」するために、駅の近くに子どもの「送迎保育ステーション」を設置し、預かった子どもをバスで「定員割れ」している保育所に送る仕組みも整えた。

 市側の手厚い支援、既存の施設やサービスを巧みに組み合わせることで、待機児童数は2010年の1552人から2012年には179人にまで激減した。市は2013年4月に待機児童解消を掲げており、目標達成が視野に入ってきた。

 大阪市では、横浜市の事例を参考にしているそうだ。市の財政でどこまで負担が可能かをにらみながら、待機児童ゼロを実現したいと市保育企画課の担当者は話す。

(J-CASTニュース 2013.1.14)

<文科省>学校の週6日制導入を検討

文部科学省は、現在公立学校で実施されている「完全学校週5日制」を見直し、土曜日にも授業をする「6日制」導入の検討を始める。「ゆとり教育」の見直しで授業時数を増やした新学習指導要領が、小学校で昨年度から、中学校では今年度から完全実施されており、土曜日も使って授業時数を確保し子供たちの学力向上を目指す。私立校の中には土曜授業を続けている学校も多く、公私の学力格差拡大の懸念を払拭(ふっしょく)する狙いもある。

 

 同省は今後、導入に向けた課題を精査し、省令改正などをして実現を目指す方針だ。

 文科省は省令で土日を「休業日」としているが「特別な必要がある場合」は授業をすることができるとの除外規定がある。東京都などではこの規定を使い、10年度から土曜授業を実施。12年度に小学校の43%(565校)、中学校の47%(292校)で月1回以上、導入している。また、宇都宮市や大阪市など全国の小学校の5.7%(約1100校)、中学校の6.4%(約590校)が土曜日を使って公開授業などを実施している。回数は年10回以下がほとんどで、11回以上は小中とも1%未満しかない。

 

 同省は、土曜授業の導入にあたり、月曜から金曜までと同様に算数や国語などの教科教育に充て、平日の授業負担を軽減させるほか、標準850(小1)~1015時間(中3)と定めている年間授業時数をさらに増やしたい狙いもある。

 

 文科相には諮問機関である「中央教育審議会」(中教審)があり、そこでの検討を経る必要があるとの声も省内にあり、具体的な導入時期や実施方法が決まるには曲折も予想される。教職員の勤務時数が法律で週40時間と定められているため、実施するには教員の数を増やす対応が必要となるなど課題も多い。

 

 東京都小学校PTA協議会が10年に実施した調査では、土曜授業について保護者の86%と教員の38%が「必要」、保護者の7%と教員の52%が「反対」だった。下村博文文科相は「徹底して土曜授業を導入したい。国民的な理解を得るなど省内で課題をクリアしたい」と話している。

 

 ◇学校週5日制

 1986~87年にかけての臨時教育審議会の答申に盛り込まれ、92年9月から月1回土曜休業で始まった。95年の月2回と段階を経て、02年4月から完全実施された。学校教育法の施行規則(省令)も改定し公立校に対しては法的拘束力も持たせた。「ゆとり教育」を提言した96年の中央教育審議会(文科相の諮問機関)答申は、子供にとって学校、家庭、地域社会のバランスを改善し「生きる力」を身につけるために学校週5日制が必要と位置付けた。

 

(2013.1.13 産経ニュースから転載)

日本大学藤沢小学校  2015年4月 開校について

日本大学藤沢小学校(認可手続中) 学校設置計画の承認について

 

日本大学は、平成27年(2015年)4月に小学校を開校するべく準備を進めてきたが、このたび、神奈川県知事より学校設置計画の承認が得られた。今後、認可手続を進めていくが、この小学校の概要については下記のとおりとなる。

 

1 名称  日本大学藤沢小学校

 

2 開校時期  平成27年(2015年)4月1日(予定)

 

3 開校場所  神奈川県藤沢市亀井野1866 日本大学湘南キャンパス内(小田急江ノ島線六会日大前駅下車 徒歩8分)

 

4 学級編成・収容定員等 

入学定員 72名(1学年2学級)男女共学(予定) 総定員 432名(予定)  初年度対象年次は1年生のみ(予定) 日本大学藤沢中学校へ推薦で進学できます。

 

5 教育の理念

 「自主性と創造性の芽を育む」 教育の理念は、日本大学の理念及び目的である「自主創造」(知的好奇心を持って、自らが課題に取り組み、新しい道を切り開いていくこと)の基礎を小学校の時期から育成することを目指し、「自主性と創造性の芽を育む」とします。自主性と創造性のもととなるものを小学校で育成し、中学校・高等学校・大学でその芽が成長し、自主性と創造性を持った社会人となってほしいという願いを込めました。

 「自主性と創造性の芽を育む」ためには、心と体の健康、基本的な知識、豊かな体験が重要であると考え、次の6つの目標の達成に向けて、学校教育法等を遵守しつつ、特色ある教育を実践します。

 

・挨拶ができる子        

・読む力、書く力、計算する力を持っている子 

・明るく元気な子        

・考える力、伝える力を持っている子 

・自分のことは自分でできる子  

・他の人を思いやることができる子

 

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平成27年に日大藤沢小学校が開校  神奈川県藤沢市

 

日本大学(東京都千代田区)は平成27年4月、神奈川県藤沢市亀井野に日本大学藤沢小学校を開校する。

 昨年末に県知事から学校設置計画の承認を得た。日大系列の小学校は千葉県船橋市にある千葉日大第一小に次いで2校目。

 小田急江ノ島線六会日大前駅から徒歩8分の日大湘南キャンパス内に開校する。男女共学の1学年2学級で入学定員は72人。総定員は432人。初年度は1年生のみが対象となり、日大藤沢中に推薦で進学できるという。

 「自主性と創造性の芽を育む」とした教育理念を掲げ、新たな道を切り開く「自主創造」の基礎を小学校の時期から育成することを目指す。日大の中高大学でその芽を成長させていくという。

 

2013.1.12 産経ニュース

子供のお片づけ 遊びとセットで「習慣」に

せっかくきれいに片づけたと思ったら、子供のおもちゃですぐに雑然としたリビングに…。こんな経験をした人は多いのでは? 子供がいてもきれいな部屋でスッキリと暮らしたいもの。教育コンサルタントで生活総合情報サイト「All About」子供のしつけガイドの上野緑子さんに片づけ上手な子供に育てるコツを聞いた。(油原聡子)


◆最初が肝心

 

「片づけの能力が身に付けば部屋がきれいになるだけではなく、子供が自分のことを自分で行う責任感も身に付きます」と上野さんは話す。

 片づけ上手な子供に育てるには最初が肝心だ。幼稚園や保育園に入園する前頃から声をかけ始めるといいという。

 子供が小さいと、片づける理由を伝えてもなかなか理解できないため、習慣化させるといい。今使っているおもちゃをきちんと片づけてから次のおもちゃを出すようにする。「遊びと片づけがセットだと覚えさせて」と上野さん。

 

 「人形の場所はここ」「ブロックの場所はここ」というように、片づけの場所を子供でも分かりやすいようにしておくといい。収納場所がいっぱいだと片づけにくいので、なるべく収納量の7~8割程度にしておく。子供がリビングで過ごすことが多い場合、リビングに子供用の収納を用意し片づけやすくしておこう。

 忘れていけないのが、片づけのたびに子供をほめることだ。作業中は「ちゃんとお片づけしてえらいね」。終わったら「部屋がきれいになって気持ちいいね」などと声をかけ、子供に片づけに対して嫌なイメージを持たせないようにしたい。


◆ゲーム感覚で


 「ゲーム感覚を取り入れ、片づけは楽しいものと覚えさせるのもいいですね」と上野さん。「あの箱にどちらが早く入れられるか競争しようか」などと声をかけ、親子やきょうだい、友達などでゲームとして楽しみながら取り組んでみよう。

 

子供が小学校に入学する程度になったら、片づけの意義や理由を伝えるようにする。「片づけないと、次に使うときに見つからなくて困るでしょう」などと具体的に伝える。

 

子供がなかなか片づけないからといって、親が一人で片づけてしまうと逆効果だ。親が片づけてくれるものと思い、片づけなくなってしまう。また、次に予定がある場合には片づけの時間も予定に入れ、「片づけをしなくていい」という例外を作らないようにする。

 

子供部屋が散らかっている場合はどうすればいいか。上野さんは「親が勝手に掃除したり片づけたりしてはいけない」。散らかっていて目に余る場合でも、「このまま片づけないなら、お母さんが片づけちゃうよ」とまずは声をかける。「触られたくないから、すぐに片づけを始めることが多いですよ」(上野さん)

 

 子供に片づけをしつけるには親の姿勢も重要だ。上野さんは「親がきちんと片づけをしていないと、子供は片づけなくてもいいや、と思ってしまう。親も常日頃から、しっかり片づける姿勢を見せることが大事」と話している。


(2013.1.10 産経ニュースから転載)

幼稚園の“ママ友”だました詐欺容疑で逮捕 エルメスで240万円集金

高級ブランド品を格安で仕入れられると嘘をつき、代金名目で知人女性から預かった現金115万円をだまし取ったとして、大阪府警天王寺署は8日、詐欺容疑で、大阪市天王寺区の無職、谷川はるみ容疑者(40)を逮捕した。

 同署によると、谷川容疑者は子供が通う私立幼稚園のPTA役員を務め、“ママ友”グループの食事会などで「知り合いがエルメスの買い付けをしているから格安で買える」と勧誘。別のPTA役員3人からも約240万円を集金しながら商品を渡していないといい、同署で裏付けを進めている。

 逮捕容疑は平成22年1~5月、PTA役員の女性(41)からエルメスのバッグなど4点の代金として計115万円を口座に振り込ませ、詐取したとしている。商品が届かないため女性が昨年11月に告訴した。谷川容疑者は「買い付けをしている人に金を渡した」と容疑を否認している。

(2013.1.8 産経ニュースから転載)

6・3・3・4制見直しも…首相直属会議発足へ 

政府は5日、安倍首相直属の「教育再生実行本部(仮称)」を今月中旬にも設置する方針を固めた。

 第1次安倍内閣当時の2006年10月に設置した「教育再生会議」を事実上復活させるもので、「6・3・3・4制」を見直す学制改革などを議論し、今後の法改正につなげる考えだ。

 

 本部は、首相と菅官房長官、下村文部科学相に加え、大学教授や企業経営者など各界の有識者十数人で構成する。本部では学制改革のほか、〈1〉教育委員会制度の見直し〈2〉大学入試の仕組みの見直し〈3〉いじめ問題への対応強化――など自民党が衆院選政権公約で掲げた項目について、法改正も含む提言をまとめる。

 

 第1次安倍内閣で設置された教育再生会議は議長を務めた首相と官房長官、文科相、有識者の計20人で構成した。「ゆとり教育」の見直しなどを求めた同会議の報告書に沿って、安倍政権は教員免許の更新制や小中高校に副校長を設置することなどを柱とした改正教育3法を成立させた。

 

(2013年1月6日 読売新聞から転載)